旅行費用を半額補助するなどの需要喚起キャンペーン「Go To キャンペーン」について、政府は運営事務の委託先を決める公募手続きを正式に中止したと発表した。当初は 7 月下旬に実施する方針だったが暗雲が立ち込めている。
「Go To キャンペーン」は、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けて打撃を被った旅行業界や飲食業界向けに開催される官民一体型の需要喚起キャンペーン。
2020 年度第1次補正予算で約1兆6,794億円が計上された「Go To キャンペーン事業」は、旅行業界向けの「Go To Travel キャンペーン」、飲食業界向けの「Go To Eat キャンペーン」、エンターテイメント業界向けの「Go To Event キャンペーン」、小売事業者向けの「Go To 商店街キャンペーン」で構成される。
政府は 6 月 2 日から「需要喚起キャンペーン事業」を実施する委託先の公募を開始していたが、委託費の上限が総事業費の約 2 割にあたる 3095 億円と巨額だったことなどに批判が高まり、公募の中止を正式発表した。
全体のとりまとめを行う事業者の公募は中止し、改めて各分野ごとに事務局を分ける形での公募に切り替える。具体的には観光支援策を担う事務局は国土交通省、飲食店の支援策は農林水産省、商店街とイベント業界の支援は経産省が、それぞれ事業者を公募する。
新型コロナウイルス感染症の収束を見据え、当初 7 月下旬での開催を予定していた「Go To キャンペーン」は急遽決定した公募手続きの見直しと中止に伴い、その開始時期を見直すことにもなりそうだ。