米国最大級ホテルリートのホスト・ホテルズ、グループ旅行の本格的な回復は2021年半ば以降と予測

米国最大級のホテル不動産投資信託のHost Hotels &Resorts(ホストホテルズ&リゾート)は、新型コロナの影響で低迷している旅行業界で、まずはレジャー旅行が回復すると予測。だが、依然としてビジネス団体予約が回復の鍵を握るととらえている。

マリオットやヒルトンなどの高級ホテルを世界で所有するホスト・ホテルズ&リゾーツは今年前半分のグループ予約の約 90% がキャンセルされ、第1四半期に約 670 億円(6億3千万ドル)の損失を出した。

社長兼CEOのジェームス・リソレオ氏は「団体旅行が宿泊事業の要」と確信しているが、「団体旅行が回復するのは2021年半ば以降」と予測し、最終的には新型コロナの治療とワクチンの開発が真の回復に欠かせないと述べた。

上席副社長兼最高財務責任者のブライアン・マクナマラ氏によると、所有するホテル 80 軒の RevPAR(販売可能な1室あたりの収益)は第1四半期に23% 減少。年初は 2.2% の増加だったが、新型コロナが米国に拡大し始めた3月に稼働率が 52% 下落し、RevPARも 65% 急落した。昨年は客室販売の 35% を占めた団体予約は、今年第1四半期に 25% 減少した。

グループ全体の3月の平均稼働率は 29% で、4月の RevPAR は最大 95% 減少するとマクナマラ氏は予想。ホストホテルズでは系列の 35 ホテルが営業停止中だが、リソレオ氏は「営業継続を維持するための増分コストよりも収益を生み出すことが可能に」なった時点で営業を再開するという。

同社では、ホテル 80 軒の従業員8割の一時解雇、飲食店の営業停止、ブランド基準の一時停止、営業継続中のホテルの未使用フロアや会議スペースの閉鎖などを通して、営業コストを最大 75% 削減している。

新しいテクノロジーの導入で危機をチャンスに

「このチャンスと危機を、ホテル運営のモデルを再定義する機会ととらえている」とリソレオ氏。チェックインデスクのような接触の多い場所における接触の排除や削減するため、テクノロジーを駆使しする可能性もあるという。また、最新技術を導入することで、ホテルが必要とする新しい清掃基準にかかるコストも最小化できる見通しだ。

新型コロナの感染拡大を受け、ゲストは今後、施設の清潔さなどをより重視すると予測される。その中で、ハイアットやマリオットは新型コロナ対策として新しい衛生基準を発表しており、ホストホテルズは業界の回復に向けてこれら世界的なブランドとのつながりを強調する。

リソレオ氏は「これは独立系ホテルとの大きな違いで、消費者は1日の平均単価よりも個人の安全をより大事に考えている」と、グローバルブランドの強みを語った。



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