特区民泊、前年比約700%で過去最高に 早くも民泊新法に見切りの動き

内閣府地方創生推進事務局が公表したデータによると、特区民泊の居室数(認定件数ベース)が4月30日時点で過去最高の2,239室になったことが明らかになった。認定件数は前年比約700%で過去最高、申請件数ベースでみると2,686居室になっている。

住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行されることを受けて新法に注目が集まっているが、届け出件数は724件(観光庁5月11日時点)と伸び悩む裏で、特区民泊はその数を着実に増やしている。

特区民泊は、2016年1月29日に東京都大田区で全国で初めてスタート。2016年4月には大阪府の一部でもスタートし2016年10月には大阪市でも開始。その他にも北九州市や千葉市、新潟市でも開始している。

資料で公開された認定件数の内訳では、大阪市がもっとも多く651施設1,899室、大田区は52施設316室、大阪府は1施設15室、北九州市は2施設8室、千葉市は1施設1室だった。

民泊新法は6月15日に法施行を控え注目が集まっているが年間の営業日数は180日以内に制限されるほか、上乗せ条例で営業日数がさらに短縮される場合もあり、採算を合わせるのは厳しい状態になっていた。

 

特区民泊、面積要件の規制緩和でさらに増加か

大田区や北九州など認定件数が微増にとどまる一方で認定施設を大きく伸ばしているのが大阪市だ。全体2,239室のうち約84%にあたる1,899室が大阪市に集中している。

大阪府では「一居室の床面積が、25平方メートル以上であること」とする特区民泊の面積要件を改正し25平方メートル以下でも可能とする規制緩和を行うことが明らかになったばかり

最低滞在期間を7日以上から3日以上に緩和した際には大阪府と大阪市が歩調を合わせており、面積要件の緩和でも大阪市が追随する可能性もある。

大阪市でも特区民泊の面積要件が緩和された場合のインパクトは非常に大きく、特区民泊による民泊の合法化はさらに加速すると見られる。

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Airbnbでは「適法化」が最大の差別化要因に

Airbnbは6月2日にプラットフォーム上に掲載されていた違法民泊をすべて削除した。当初は6月14日に削除を予定していたが、事前通告なしに約2週間近く前倒しして突如実施した。

6月6日現在Airbnbに掲載されている民泊物件は、旅館業法の許認可や特区民泊、住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出など法的根拠のある施設のみとなっている。

Airbnbによる全削除対応以降、Airbnbで引き続き掲載している物件オーナーからは「削除後、突然宿泊予約が入り満室になった」といった声が相次いでいる。

このような声は複数の物件オーナーやホテル旅館の経営者から寄せられているもので、Airbnb上ではサービスの提供品質はもとより「適法化」が最大の差別化要因になっているようだ。



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