民泊仲介サイト世界大手のAirbnb(エアービーアンドビー)は、マイアミの不動産デベロッパーのNewgard Development Group(ニューガード・デベロップメント・グループ)は、Airbnbの自社ブランドアパートメントホテルをテネシー州ナッシュビルに開業する。
Airbnbは、2017年にニューガード・デベロップメント・グループと提携し「Niido powered by Airbnb」というブランド名でアパートメントホテルを展開する計画を発表。本プロジェクトは、Airbnbが初めて自社ブランドの名前を関した宿泊施設を開業するプロジェクトとなる。
プロジェクトの第一弾では、フロリダ州キシミー市にある324部屋のアパートメント「Domain Apartments」をAirbnbの名前が付いたアパートメントホテルに転換。
これによりAirbnbとNewgardが行うアパートメントホテルの借主は旅行などで自宅を留守にする期間、年間180日間まで民泊物件として第三者にまた貸しできるようになる。
Airbnbアプリで民泊の予約受け付けが可能で、キーレスエントリーなどの設備が整ったサービスから清掃や荷物保管などのコンシェルジュサービスを利用できるのが特徴だ。
Niido Powered by Airbnbの共同設立者で最高マーケティング責任者のシンディ・ディフェンダファー氏はブルームバーグに対し、2019年の年末までに米国内に14のAirbnbブランドのアパートメントホテルのオープンを計画。ディフェンダファー氏は「かなり積極的な成長戦略を立てている」としつつも、計画が変更する可能性はあると述べた。
Airbnbとニューガードの共同プロジェクトであるNiidoは2017年12月にbrookfield property partnersから最大約220億円(2億ドル)の投資を受け入れると発表し、キシミー市でのプロジェクトやその他の地域で展開するプロジェクトに充てていく計画だ。]
事後報告を受けたアパートメント住民からは疑問の声も
従来のホテルとは異なるアプローチで、宿泊体験をゲストに提供したいと考えるAirbnbにとって、Niidoプロジェクトのような不動産デベロッパーとの提携は有望だ。
しかし、既存のアパートメントをAirbnbに掲載し短期滞在型のホテルとして活用していこうとするこのプロジェクトに、誰もが歓迎しているわけではない。
今年はじめ、NiidoとAirbnbはフロリダ州のキシミーで総戸数324戸のアパートメント「Domain Apartments」をAirbnbのアパートメントホテルへと転換する計画を明らかにしたが、複数の住人から「ホテルに暮らすことになるなんて同意していなかった」などと異議が唱えられた。
また、Niido Powered by Airbnbの発表を受け、テネシー州ナッシュビルのアパートメント「the Olmsted」の住人からも同様の声が上がっており、Change.orgでは賛同の署名を求めるキャンペーンも開始されている状況だ。
ディフェンダファー氏とNiidoのパートナー等の連名で「皆さまの美しいコミュニティーの獲得について発表できることを非常に喜ばしく思う」という手紙が送られた住人たちは、Airbnbのアパートメントホテルへの転換を知らされてなかったと話した。