ワシントンD.C.に拠点を置く WhyHotel は、12月中旬、Harbert Growth Partners(ハーバート・グロース・パートナーズ)主導のシリーズ B ラウンドで、Highland Capital Partners(ハイランド・キャピタル・パートナーズ)、Camber Creek(キャンバー・クリーク)などから 2000 万ドル(約 21 億 8500 万円)を調達したと公表した。
ワシントンD.C.に拠点を置く WhyHotel は、不動産所有者や不動産会社と提携し、新築マンションを一時的にアパートメントスタイルの高級ホテルに転換し、シアトル、ヒューストンなどで複数物件を提供している。
CEO で共同創業者の Jason Fudin(ジェイソン・フディン)氏は「スペースの有効活用法は、高層ビルの建築に必要な3~5年の期間よりもはるかに速いペースで進化している」とし、「これに対応するため、消費者とデベロッパーに革新的な不動産サービスを提供をしている」と述べた。
新築物件をホテル化することによって最初から利益を上げることができる点は、WhyHotel のアピールポイントの1つだ。さらに、ホテル化による短期貸し出しで収益を上げることができれば、建物の所有者がマンションをホテルとして継続する可能性もある。
「長期の賃貸契約を行い短期滞在者に部屋を提供するという不釣り合いなサービスを提供する従来の事業者とは異なり、WhyHotel は不動産サイクルを念頭に設計し、持続可能で収益性の高いビジネスの構築を目指している」とフディン氏は付け加えた。
Airbnb は大きな変化がなかった巨大なホテル業界のディスラプターとして台頭。同社が 2020 年の株式公開に向けて準備を進めているなか、ここ数年は多くのスタートアップ企業が「代替宿泊サービス」の提供に乗り出している。
ブティックホテルのようなサービスアパートメントを展開する Sonder(ソンダー)は 2019 年 7 月に 10 億ドル(約1,090 億円)以上の評価額で約 230 億円(2億1000万ドル)を調達。ホスピタリティ業界のスタートアップ Lyric(リリック)は、2019 年 5 月にデッド含めて 175 億円(1億6000万ドル)の資金調達を実施。エクイティファイナンスは Airbnb が主導した。
WhyHotel も昨今登場する「代替宿泊サービス」の一つだ。WhyHotel は、コンシェルジュやジムのようなホテルの要素と Airbnb のような快適さを併せ持つハイブリッドサービスとして、今後は全米への展開を計画しているという。
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