岐阜市内で最大9カ所の民泊施設が、無許可営業の可能性があることが市の調査で明らかになり市議会定例会の一般質問に答えた。(中日新聞)。
無許可民泊が全国各地で表面化している中、岐阜市内でも無許可施設の存在が明らかになった格好だ。中日新聞が報じた市側の答弁によると、2016年8月から17年8月まで、民泊を仲介するインターネットサイトに、市内で延べ26施設が登録されていたという。市が調査を行い、このうち4施設の無許可営業を確認しサイトへの掲載を取り下げた。
その後、サイトには12施設が掲載されたため市が再調査を行ったところ1施設の許可を確認できたが2施設は無許可だったという。市では2施設に対して指導を行うとともに残りの9施設についても早急に調査を進めるという。
岐阜市内の民泊は「個室」タイプが多い
民泊物件のデータ解析を手掛けるメトロエンジン株式会社の「メトロデータ」によると岐阜市内の民泊物件は、2017年8月現在、13物件で、このうち貸切タイプで貸し出されている民泊物件は4件にとどまる。残りの9件は家主とリビングなどを共有する「個室」タイプで貸し出されていることがわかった。
物件の多いエリアでみると岐阜駅を中心としたエリアに比較的集中度が高いことから、名鉄やJR東海道本線が通る岐阜駅周辺の人気が高いようだ。中部国際空港(セントレア)から名鉄岐阜駅まで快速特急で55分(片道1,310円)と空港から近い点も人気の理由とみられる。
岐阜市内にある民泊の物件は投資を目的したものというよりは、岐阜を訪れた訪日客との交流を楽しむことを目的に貸し出していることが多い。2018年6月をめどに住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、届出を行うことで旅館業法では認められていなかった住宅地でも民泊の営業が行うことができる。
岐阜市内の民泊物件の平均稼働率は50%以下で年間180日以内の日数制限があったとしても特に影響はなく、民泊新法の施行後は届出を行うことで民泊の運営を行うことができる可能性は高い。ただ一部自治体では180日の上限日数に対して厳しい上乗せ条例を制定し、日数をさらに短縮させる動きもあり注意は必要だ。