パリ市当局は、市への登録を行っていない未登録の民泊オーナーのリスティングをAirbnbやHomeAwayなどの民泊仲介サイトに掲載しないよう要請したことをAFPが報じた。
パリ市では今年12月1日から民泊を運営するオーナーに対し、市への登録義務を課すと共に、民泊仲介サイトに物件掲載を行う際には登録番号の表示を求めていた。また新規制では民泊オーナーが住宅を年間で120日以上貸し出すことも禁じている。
フランス通信社のAFPによると、パリ市内のAirbnb掲載物件は約65,000件で、競合他社の民泊サイトには35,000件が掲載されている。しかしながら、市への登録済物件は11,000室のみでその多くが未登録のまま民泊仲介サイトに掲載されているという。
パリ市は今回、Airbnbに掲載されているリスティング約1,000件だけではなく競合の民泊サイトHomeAway、Paris Attitude、Sejourning、Winduの4社のリスティング計400件に対して掲載中止の要請を行った。
パリの事例は、日本の先行事例となる可能性も
フランスのパリはAirbnbの中でも非常に人気の高いエリアで、世界からの注目度も高い。メトロエンジンの「メトロデータ」によると日本国内の民泊物件数は51,000件で、中でも物件数の多い東京都でもその数は17,000件にとどまる。
日本では6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され3月から届出受付がスタートする。民泊新法では年間の営業日数は最大180日となるが、パリでも同様に年間120日の貸し出し日数制限が設けられるなど共通点も多い。
住宅宿泊事業法の本格運用を前に、民泊物件の登録を義務付けるパリの動向には今後も注視していきたい。